衝撃の酸味!?乳酸菌とその力


本干沢庵
本干沢庵1764
なすの生しば
なすの生しば

近清では近年あまり行われていない本格熟成発酵でつくられたお漬物を作っております。その代表が近清の顔とも言える『本干沢庵1764』。皆様沢庵というと、甘いお漬物を思出しませんか?ところが、近清の沢庵は酸っぱいのが特徴です。あの甘い沢庵を想像して召し上がったお客さまから、くさってる!と驚きの声を頂いた事もございます。それくらい強い酸味を持っています。

 

そもそもこの『本格熟成発酵』という聞き慣れない言葉。一体どんな手法かと申しますと、一言で言うならば『約半年かけてしっかり漬け込む』それだけです。その半年の間に樽の中で何が起こっているかというと、熟成そして植物性乳酸菌による発酵が行われています。発酵させるには一定の温度管理が必要であり、毎日の手間は膨大です。しかし、その管理を怠ると糠そのものが痛んでしまい本当に「くさった」お漬物になってしまいます。その手間こそが、近清最大の味の秘密。調味料の味ではなく、伝統の技と職人のこだわりが織りなす味の深みが生まれます。

酸味の奥にある発酵食品独特の旨味はかめばかむ程ゆっくりと口の中に広がります。

もちろん皆様よくご存知の「沢庵」もございます。それは、当店では浅漬けに分類される『新漬大根』でございます。熟成発酵の時を経た『本干沢庵1764』に比べればまだまだフレッシュさ満点の新人さん。と言った所でしょうか。あっさりとした大根の甘みを生かしたお漬物です。

 

同じく乳酸菌発酵を利用した漬物で有名なのがしば漬。平安時代から作られていたと言われており、日本で一番古い漬物であるとも言われております。その酸味の程は好みも様々。近清では様々なタイプのしば漬をご用意しておりますのでお好みのしば漬を見つけてみてはいかがでしょうか。

 


コリコリとした歯ごたえと野菜の味


近清ではひねものとよばれる日持ちのするお漬物は、長期熟成をさせ、しっかりと漬け込みを行っているのにも関わらず、野菜の歯ごたえがしっかりと残っているのが自慢です。それは、一度天日干しにしたり、下漬けしたりと、それぞれの野菜に合わせて本漬けの前にしっかりと下準備を行うからです。野菜は一つ一つ特徴も持っている水分も違うので、どうしたら一番美味しくなるか、その為にはまず何をしたらよいのか。そこを考えるのが職人の一番の醍醐味であり、楽しみでございます。初代から、私どもは『野菜の声を聞きなさい』と教えられて今日まで漬物屋を続けて参りました。その真髄にせまるべく、今日も私どもは旬の野菜と向き合います。

新撰組が愛したお漬け物
胡瓜の奈良漬1764
胡瓜奈良漬1764